2023 2.11 sat., 2.12 sun., 2.14 tue.
THE BRAND NEW HEAVIES
artist THE BRAND NEW HEAVIES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
インコグニートと双璧をなす"アシッド・ジャズの王者"、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズの来日ステージが遂に始まりました。10日の公演は残念ながら中止になってしまいましたが、11日のファースト・セットからメンバーはパワー全開。超満員のオーディエンスの前で、思いっきり華やかなパフォーマンスを繰り広げました。
サポート・メンバーが位置について演奏を始め、やがてべースのアンドリュー・レヴィ、ギターのサイモン・バーソロミューがプレイしながら登場します。向かって左側がアンドリュー、右側がサイモン。それぞれ別の通路を歩きながらたっぷり演奏して、バンドスタンドの真ん中で出会います。極太なベースの低音と、シャープなギター・カッティングの融合は、まさしく"ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ印"。スウィング・アウト・シスター等のサポートも手掛けたマット・スティールのキーボードも、さすがの切れ味です。
続いていよいよ、グループの歌姫であるアンジェラ・リッチが登場します。前回の公演(2019年8月)の頃はまだ加入して間もなかったはずですが、すっかり堂々とした、貫禄さえ感じさせるステージでオーディエンスを楽しませます。絹のような歌声とスタイリッシュなドレスは、互いを引き立て合っているようです。時おりパーカッションのミム・グレイがハスキーな声でハーモニーをつけたり、ソロ・パートを歌ったりするのですが、これも絶品でした。セットリストには「Dream on Dreamer」、「Sometimes」、「Never Stop」、「You Are The Universe」といった大定番曲が惜しげもなく含まれ、「BNH」ではテナー・サックスのリチャード・ビーズリー(英国アコースティック・ジャズの第一人者)やトランペットのブライアン・コルベット(今は亡きアメリカのジャズ・トランペット奏者フレディ・ハバードに捧げたユニット"レディ・フォー・フレディ"も率いる)の演奏もフィーチャー。すぐれたグループは有名曲のカヴァーにも独創性を発揮するものですが、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズも例外ではなく、マリア・マルダーのヒット曲「Midnight at the Oasis(真夜中のオアシス)」を猛烈にファンキーに解釈。彼らがこの曲をシングル・カットしたのは1994年のことですが、単に当時のようにプレイするのではなく、アレンジが今も進化・発展しているのが嬉しいところです。
「3年間、ここに戻ってくるのを本当に楽しみにしていたんだ」。MCでこう語るサイモンは、喜びを隠せないといった表情です。ファイナル・ステージでもザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズは観客を総立ちにさせ、熱狂の渦に巻き込んでくれることは間違いありません!
(原田 2023 2.12)
Photo by Takuo Sato
2023 2.11 sat.
1st | |
---|---|
1. | Intro |
2. | Ride In The Sky |
3. | Dream On Dreamer |
4. | Sometimes |
5. | Never Stop |
6. | Back To Love |
7. | Midnight At The Oasis |
8. | BNH |
9. | Brother Sister |
10. | Stay This Way |
11. | Spend Some Time |
EC1. | You Are The Universe |
EC2. | Dream Come True |
2nd | |
1. | Intro |
2. | Ride In The Sky |
3. | Dream On Dreamer |
4. | Sometimes |
5. | Never Stop |
6. | Back To Love |
7. | Midnight At The Oasis |
8. | BNH |
9. | Stay This Way |
10. | Spend Some Time |
EC1. | You Are The Universe |
EC2. | Dream Come True |