2023 3.4 sat., 3.5 sun., 3.6 mon.
NATE SMITH + KINFOLK
artist NATE SMITH , 大林武司
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
"このバンドを組んでからずっと、日本で演奏したいと思っていた。今回の公演は、自分にとってのマイルストーン(とても大きな節目)だよ"。
曲間のMCで、ネイト・スミスはこう語りました。マイケル・ジャクソン、アリ・シャヒード・ムハマド、パット・メセニー、ホセ・ジェイムズ、デイヴ・ホランド等、数えきれない俊才と奥行きのある音楽を創り出し、"ヴルフペック"のジョー・ダートを中心とする"フィアレス・フライヤーズ"の一員としても爽快なプレイを繰り広げてきたネイトですが、自身のユニット"ネイト・スミス+キンフォーク"を率いて日本を訪れたのは、今回が初めて。話題作『Kinfolk: Postcards From Everywhere』、『Kinfolk 2: See the Birds』からのナンバーを中心に、スリルと躍動感満載の音作りで魅了しています。
共演メンバーはジャリール・ショウ(アルト&ソプラノ・サックス)、ブラッド・アレン・ウィリアムズ(ギター)、大林武司(ピアノ、キーボード)、フィマ・エフロン(ベース)。ネイトと大林は3月3日、コットンクラブでスペシャル・プログラム「ミュージック・オブ・デイヴ・ホランド presented by 大林武司 & ネイト・スミス」を日本の気鋭たちと行なったばかりです。その日のネイトは舞台上手側にドラムをセットしていましたが、ブルーノート東京での彼は背後ド真ん中から他のメンバーのプレイを鼓舞します。"誰もが引き立っている"といっても過言ではない巧みなアレンジ、尋常ではないダイナミクス(強弱)の妙、ドラムから始まることの多い華やかな導入部、エキサイティングな即興パートの組み合わせは、時間の経過を一瞬に感じさせました。
イントロがすさまじくかっこいい「Streetlamp」(MVも約2万回視聴されています)、マレットを用いたメロディアスなドラム・プレイがフィーチャーされる「Collision」等が次々とプレイされるなか、バンドは「Footprints」にとりかかり、さらなる拍手と感嘆を引き出します。もちろんこれは、先ごろ亡くなった巨星ウェイン・ショーターの代表的コンポジション。彼をこよなく敬愛するネイト(と、メンバー)の気持ちを反映した、短いながらも実に聴きごたえのあるパフォーマンスでした。後半には、これまでのアルバムにも参加しているヴォーカリストのアマ・ワットも登場。あたりの柔らかい、絹のような歌声でありつつ、声量は抜群。白熱するバンド・アンサンブルと拮抗する、よく伸びるクリアな声が耳を引き付けます。「Rambo」ではジャリールが、まだトリビュートし足りないとばかりに、アドリブ・ソロの中にショーターの楽曲「Juju」のメロディを挿入しながら猛烈なブロウを繰り広げました。
ラストはネイトひとりがステージに残り、観客の手拍子に合わせてインプロヴィゼーションを披露。巧みにアクセントを入れ替えて、手拍子を打っているこちらが"あれ、間違えたかな"と戸惑うような展開にも持ち込みます。まるで巧者のゲームに誘い込まれたような気分を味わいました。乗りに乗るネイト・スミス+キンフォークの公演は6日まで続きます。
(原田 2023 3.5)
Photo by Tsuneo Koga
★来日公演は3月6日(月)まで!
NATE SMITH + KINFOLK
2023 3.4 sat., 3.5 sun., 3.6 mon.
2023 3.4 sat.
1st | |
---|---|
1. | Altitude |
2. | Street Lamp |
3. | Collision |
4. | Footprints |
5. | Small Moves / From Here |
6. | Square Wheel |
7. | Morning + Allison |
8. | Disenchantment |
9. | Rambo / I Burn For You |
EC. | Drum Solo |
2nd | |
1. | Altitude |
2. | Jugglers Parade |
3. | Collision |
4. | Footprints |
5. | Dynamite / Bounce |
6. | Square Wheel |
7. | Pages |
8. | Home Free |
9. | Rambo |
EC. | Skip Step |