2023 3.13 mon., 3.14 tue., 3.15 wed., 3.16 thu.
LALAH HATHAWAY
artist LALAH HATHAWAY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
5度のグラミー賞に輝くトップ・シンガー、レイラ・ハサウェイの公演が昨日から始まりました。ブルーノート東京への登場は、なんと5年ぶり。私は初日のファースト・セットに足を運びましたが、オーディエンスとアーティスト側の"待ちに待った気持ち"が熱く重なり合うかのようなステージでした。
前回の公演にも参加していたベースのエリック・スミスとドラムスのタバリウス・ジョンソンのコンビネーションは、まさに鉄壁という言葉がふさわしいものです。主にゴスペル畑で活動を続けてきたアリウン・タッカーもシンセサイザーやハモンド・オルガン(絶品!)で鮮やかなプレイを繰り広げました。彼らのプレイはレイラのヴォーカルを時に包み込み、時に鼓舞します。オープニングの「Baby Don't Cry」から、レイラは絶好調です。まろやかでありながら、しっかりとした芯のある歌声が、空間いっぱいに響き渡ってゆきます。アルトでじっくりと歌い上げるなかに、時おり、絹のようになめらかな高音も挿入し、口とマイクとの距離もさまざまに変化させながら、見事な歌唱を聴かせてくれるのです。近作『Honestly』(2017年)からの「Change Ya Life」、故ジョー・サンプルとのコラボレーション作品『The Song Lives On』(1999年)からの「When Your Life Was Low」も含むセレクションは、ベスト・オブ・レイラ・ハサウェイと呼びたくなるものでした。
"オールタイム・フェイヴァリット・シンガーの歌を歌います"というMCの後に飛び出したのは、父親ダニー・ハサウェイの歌唱で有名な「Love, Love, Love」(元ザ・キャデラックスのJ.R.ベイリーが創唱)。ベテランのソウル・ミュージック・ファンには特に嬉しい瞬間だったことでしょう。メロディと歌詞をいつくしむように表現するレイラ、楽曲に奉仕するかのように誠実なプレイを聴かせるミュージシャンたちに引き付けられます。また、スタンダード・ナンバーの「Summertime」では、レイラの即興やメロディ・フェイクの才能が存分に発揮されました。口笛でアドリブをする彼女に聴き入っていると、いつしかもうひとつの口笛がそこに重なってきます。よく見るとバック・コーラスのジェイソン・モラレスが"サイド口笛"で、レイラをサポートしているのです。彼女の最初期のレパートリーで、スナーキー・パピーと共演したセルフ・カヴァーも記憶に新しい「Somethin'」(曲作りにデヴィッド・フォスターも関わっています)もジャム・セッション的に、インプロヴィゼーションを交えつつ発展していきます。レイラは、先日亡くなったサックス奏者ウェイン・ショーターの楽曲「Witch Hunt」のメロディを挿入しながらモダン・ジャズの管楽器奏者のようなスキャットを聴かせ、さらにジェイソン、デニス・クラークらコーラス陣との掛け合いも繰り広げました。今だからこその「Somethin'」が、確かにここにありました。
ブルーノート東京公演は、16日まで連日行われます。乗りに乗る歌い手とメンバーたちが織りなす、至高のパフォーマンスを存分にお楽しみください。
(原田 2023 3.14)
Photo by Jun Ishibashi
★来日公演は3月16日(木)まで!
LALAH HATHAWAY
2023 3.13 mon., 3.14 tue., 3.15 wed., 3.16 thu.
2023 3.13 mon.
1st & 2nd | |
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1. | Baby Don't Cry |
2. | Strong Woman |
3. | Change Ya Life |
4. | That Was Then |
5. | When Your Life Was Low |
6. | Medley |
Love Love Love | |
Angel | |
LH | |
Insanity | |
Summertime | |
7. | Forever For Always For Love |
8. | It's Somethin' |
EC. | Lean on me |