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ENTERTAINMENT BIGBAND LIVE / YUJI MIYAKE & Light Joke Jazz Orchestra with special guest KEIKO TODA "Let's Swing New York"

artist 三宅裕司 , 戸田恵子

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ジャズの魅力、大人数による生演奏の迫力、ユーモアの威力。その三拍子が揃った凄腕集団、三宅裕司&ライト・ジョーク・ジャズ・オーケストラ(LJJO)が3月19日から21日にかけても楽しさいっぱいのステージを届けてくれました。しかも今回は、前回公演とは異なり、普通に飲食し、ジョークに笑い、くつろぎながら演奏に浸ることができました。日常は確かに、少しずつ戻ってきています。

いつも趣向に富んだテーマで楽しませてくれる彼らですが、本年度の公演タイトルは「ニューヨークをスウィングしよう」。ステージは、バストロンボーン奏者の河野広明が尺八に持ち替えてプレイする「いい湯だな」から始まりました。ニューヨークへの音楽旅行は、まず"入浴"からということなのでしょう。LJJOの得意技であるジャズ・ナンバーと歌謡曲のドッキングにはますます磨きがかかり、ジャズが若かった時代に書かれたカウント・ベイシー楽団の代表曲「コーナー・ポケット」、いろいろなミュージシャンがとりあげてきたマイルス・デイヴィスの「ソー・ホワット」を、ごきげんなソロとアンサンブルで聴かせてくれました。「ソー・ホワット」の初演でマイルスが吹いたアドリブ(アルバム『カインド・オブ・ブルー』に収録)を管楽器群が合奏することに関しては、かつてジョージ・ラッセルのオーケストラも取り組んでいましたが、そこに厚みのあるハーモニーをつけて盛り上げていく展開は実に新鮮です。音楽監督/トランペッターである羽毛田耕士のアレンジは、冴えわたるいっぽうです。

LJJOの公演に欠かせない素敵なお姉さまたち、由紀さわり・つわりがスキャットを交えながら「恋人よ我に帰れ」を熱唱したあと、いよいよスペシャル・ゲストである戸田恵子が登場します。40年ほど前から、年に1~3回はニューヨークに足を運んで刺激を受けてきたというだけあって、トークのはしばしからも強いニューヨーク愛が伝わります。ローズマリー・クルーニー(俳優ジョージ・クルーニーの叔母)が歌い、日本では江利チエミの代表曲として知られる「家へおいでよ」、"ニューヨークをテーマにした大好きな曲"だというビリー・ジョエルの「ニューヨークへの思い」等を、戸田恵子は豊かな声量と華麗なステージングで歌い届けました。俳優・声優として押しも押されもせぬ地位にある彼女ですが、16歳の時には演歌路線で歌手デビューもしています。三宅裕司との息の合ったMCではその当時のエピソードも飛び出して、客席を大いに沸かせました。

三宅裕司のプレイの冴えは、ドラム・ソロを含む「A列車で行こう」(サックスの合奏部分に、デューク・エリントンがジョン・コルトレーンのために書いた「テイク・ザ・コルトレーン」の一節が挿入されていたのもマニア心をくすぐります)、ワルツ調のアンコール曲「少年時代」までまったく勢いを失うことがありません。精鋭メンバーたちに快いリズムを提供するいっぽう、1曲終わるごとにドラムの席を離れてステージ前方に出てトークで喜ばせる、そのサービス精神とバイタリティには敬服させられるばかりです。次回の公演では何をスウィングしてくれるのか、早くも楽しみがつのります。
(原田 2023 3.22)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2023 3.19 SUN.
1st & 2nd
1. CORNER POCKET
2. SO WHAT
3. LOVER COME BACK TO ME
4. COME ON A MY HOUSE
5. NEW YORK STATE OF MIND
6. ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
7. TAKE THE “A” TRAIN
EC. 少年時代

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