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MAKAYA McCRAVEN

artist MAKAYA McCRAVEN

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

進行形ジャズのシャワーに打たれているような、途方もなく気分の高揚するライブが昨日から始まっています。

最新傑作アルバム『In These Times』も大好評の鬼才ドラマー、マカヤ・マクレイヴンが約5年ぶりに「ブルーノート東京」で会心のステージを繰り広げているのです。共演メンバーはグレッグ・ウォード(アルト・サックス)、ジャハリ・スタンプリー(ピアノ、フェンダー・ローズ、シンセサイザー)、ユニウス・ポール(エレクトリック・ベース)。グレッグとユニウスは前回の公演にも参加し、その時は曲によってヴォーカルも聴かせてくれましたが、私が足を運んだ初日ファースト・セットでは演奏に専念していました。ジャハリはグレッグ同様、シカゴの音楽シーンで頭角を現したひとりで、デリック・ホッジのサード・アルバム『Color of Noise』にも参加していた逸材。複数のキーボードを手足のように操りながら、サウンドに豊かな色彩を加えていきます。

マカヤのドラム・セットは、スネア・ドラムに限っても音程を違えたものが3つ含まれているという極めて独特のもので、しかも各パーツが非常に近い距離で設置されています。そして彼は椅子を高めにして、両腕を振り下ろすようにしながら演奏します。向かって右側に設置された大型のシンバルとその下に高めのポジションで設置されているスネア・ドラムの間をスティックが高速移動したときの音圧の、なんとすさまじいことでしょう。それに触れることができるのは、ライブならではの快感といっていいでしょう。明快そのものの打音、キック(バスドラ)の迫力を遺憾なく伝えるPA(音響)の卓越ぶりも特筆しておきたいところです。

『In These Times』からの「Seventh String」をオープニングに持ってきて見る者の心をつかみ、前作『Deciphering The Message』からの「Frank's Tune」、「Sunset」などが、次々と目の前でプレイされていきます。1950~60年代のハード・バップ・ジャズへの愛をサンプリング込みで告白したといっていいであろう『Deciphering~』の世界が生演奏ではこう提示されるのかという驚き、各メンバーの山場づくりのうまさ。ステージの後半はグレッグ、ユニウス、ジャハリの無伴奏パート(カデンツァ)もそれぞれ挿入されて、組曲のような壮大さで楽曲が綴られていきました。

しかもマカヤたちの音楽には、うねるような即興と共に、口ずさみたくなるような旋律、つい体が揺れてしまうダンサブルな要素もたっぷりです。ジャズに関心を持ち始めているひと(最近、とても増えていることを実感しています)も、一発でこの音楽のとりこになってしまうことでしょう。公演は13日まで続きます!
(原田 2023 4.12)

Photo by Makoto Ebi


★来日公演は4月13日(木)まで!
MAKAYA McCRAVEN
2023 4.11 tue., 4.12 wed., 4.13 thu.
詳細はこちら

SET LIST

2023 4.11 TUE.
1st
1. Seventh String
2. Frank’s Tune
3. Dream Another
4. Sunset
5. The Knew Untitled
6. New Movement
7. In These Times
8. Three Fifths a Man
 
2nd
1. Seventh String
2. Frank’s Tune
3. Dream Another
4. Sunset
5. This Place That Place
6. In These Times
7. Three Fifths a Man
EC. New Movement

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