- KEIKO MATSUI GROUP
- marasy, Shota Horie [kemu], Yumao [HITORIE] at BLUE NOTE TOKYO
- Celebrate "International Jazz Day" with TAKUYA KURODA / "NOTES with SOUL" with the HAMMOND ORGAN featuring SAKURA FUJIWARA & MAY INOUE
- SADAO WATANABE GROUP 2023
- BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO with special guest LARRY CARLTON
2023 4.25 tue., 4.26 wed., 4.27 thu.
RICHARD BONA ASANTE TRIO
artist RICHARD BONA
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ベースとヴォーカルの両方でさらなる充実を極めるカメルーン出身のリチャード・ボナが、新ユニット"アサンテ・トリオ"を率いて来日中です。23日に高崎芸術劇場 スタジオシアターで初日公演を行い、そのテンションを保ったまま昨日から「ブルーノート東京」に登場、1曲目の1音目からファンをひきつけています。ボナがバンド・リーダーとして日本を訪れるのは、約4年半ぶりだそうです。
共演メンバーのオスマニー・パレデス(アコースティック・ピアノ)とヒラリオ・ベル(ドラムス、パーカッション)は、いずれもキューバ出身のミュージシャンです。ボナの別ユニット"マンデカン・クバーノ"の一員でもあるオスマニーはタッチの美しさはもちろんのこと、鮮やかなジャズ・インプロヴィゼーション、切れ味鋭いモントゥーノ(トゥンバオ)を持ち合わせた名手。ヒラリオはボンゴやカウベルなどを導入した独自のドラム・セットを用いて、驚くほどメリハリに富んだサウンドを創り出します。
管楽器やギター入りのバンドを組むことが多かったボナにとって、ピアノ・トリオ編成は一種の新境地といっていいでしょう。今回、このユニットのライヴに接して思ったのは、これまで以上にベースの音色が際立っていることです。親指を弦にやさしく押し当てることで生み出されるスタッカート的な発音、人差し指や中指で奏でられる重厚なロング・トーン、その間に挟み込まれる打楽器的な経過音などなど、表情豊かなベース・プレイが、オスマニーのアコースティック・ピアノに絡んでゆくところには、こたえられないスリルがありました。しかもボナは、こうしたクリエイティヴなベース演奏をするのと同時に、絹のように滑らかな歌声を、ほぼ全曲にわたって聴かせてくれるのです。
敬愛するジャコ・パストリアスのナンバーからは、今回「Three Views of a Secret」を演奏。あの美しいメロディが、ボナのスキャットによって表現されてゆきます。"この曲が何拍子なのかカウントしないで"という前置きの後に演奏されたマイルス・デイヴィスの「All Blues」は、つんのめるような変拍子にアレンジされ、いっぽう「Manyaka o Brazil」ではアサンテ・トリオ流サンバと呼びたくなるような爽やかな音作りを展開。ルーパーを用いた"ひとりヴォーカル・アンサンブル"的なソロ・コーナーはさらに進化し、定番の「O Sen Sen Sen」ではボナとオーディエンスによるコール&レスポンスも行なわれました。その楽し気なやりとりは、日常が戻りつつあることを、強く感じさせてくれます。
各メンバーが大変な超絶技巧の持ち主でありながら、それを上回る、溢れんばかりの歌心を持って"アサンテ・トリオ"の音楽を表現しているところに、私は強く惹かれました。息の合ったバンド・アンサンブルとは何か、それを目の前で示してくれる彼らの公演は27日まで続きます。
(原田 2023 4.26)
Photo by Jun Ishibashi
⚫︎来日公演は4月27日(木)まで
RICHARD BONA ASANTE TRIO
2023 4.25 tue., 4.26 wed., 4.27 thu.
2023 4.25 tue.
1st & 2nd | |
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1. | Bilongo |
2. | Three views of secret |
3. | Muntula Moto |
4. | All blues 11 |
5. | Mut'Esukudu |
6. | SOLO |
7. | Janjo la Maya |
8. | Manyaka o Brazil |
9. | O sen sen sen |
EC. | Alfonsina y el Mar |