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DOMi & JD BECK

artist DOMi & JD BECK

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

アリアナ・グランデ、アンダーソン・パーク、サンダーキャット、フライング・ロータス、ルイス・コール、スヌープ・ドッグ、ハービー・ハンコックらと共演。ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークが組んだシルク・ソニックの楽曲「Skate」の作者にも名を連ねる驚愕のZ世代デュオ"ドミ&JD・ベック"の公演が、昨日からブルーノート東京で始まっています。メンバーはもちろん、キーボード奏者のドミ、そしてドラマーのJD・ベック。昨年夏にアルバム『ノット・タイト』を発表し、加速度つきの注目を集めているだけあって、チケットは予約受付早々に全セット、ソールド・アウトになりました。「この初来日公演を見逃すわけにはいかない」とばかりに集まったファンが熱気たっぷりに待ち構えるなか、ふたりは音楽の喜びをふりまくようなプレイ、アルバム収録曲や興味深いカヴァー曲を交えたプログラムで才能を印象付けました。

セッティングは、映像などでもおなじみの、ふたりが向かい合った形。下手側でJDが、上手側でドミが演奏します。JDのドラム・セットは極めてシンプルですが(私は1950年代半ばのケニー・クラークを思い出しました)、そのぶん、スネア・ドラムから粒のそろった音を高速で紡ぎ出し、さらにタムの縁や隅も使いながら細かなビートを生み出します。いっぽう、キックペダルのビーター部分は驚くほど巨大で、彼がペダルを踏むごとに太く重い音がズシンと響きます。曲間に細かくチューニングを変えていた姿も印象に残りました。ドミは左手でベース・ラインを弾き、右手で旋律を奏でるという、ジャズ・オルガンの奏法に通じるプレイも頻繁におこないますが、足鍵盤を用いたプレイがまた絶品です(演奏中は靴を脱いでいます)。ふたりで同時に何役をこなしているのだろう、そう思わずにはいられないほど分厚い音が飛び出してくるのに、ドミとJDはあくまでもクールな表情でプレイし、1曲ごとに軽妙なMCもはさみます。髪型やファッションも含めて、とにかく"魅せてくれる"のです。

アルバムからは、ユーモラスなミュージック・ビデオも話題を呼んだ「SMiLE」、ハービー・ハンコックとの共作「MOON」(MCでは、コラボしたときのエピソードも話してくれました)、二人がヴォーカリストとしての豊かな素質も発揮した「BOWLiNG」、ジョージ・デュークに捧げた「DUKE」とディズニーランドへのトリビュートである「SPACE MOUNTAiN」のメドレーなどを次々と披露。さらに先ごろ亡くなったウェイン・ショーターの楽曲「Endangered Species」(エスペランサ・スポルディングによるカヴァーでも知られていることと思います)、ジャコ・パストリアス作曲の「Havona」など、20世紀生まれのナンバーも、実にシャープに、ひねりを加えて再生してくれました。

「夢見ていた日本に来ることができて本当に嬉しい」と語っていたドミ&JD・ベック。12日までの全ステージを通じて、超満員のファンをエキサイトさせるのは間違いのないところでしょう。
(原田 2023 5.11)

Photo by Tsuneo Koga


★ブルーノート東京公演は5月12日(金)まで!
DOMi & JD BECK
2023 5.10 wed., 5.11 thu., 5.12 fri.
詳細はこちら

★5月13日(土)には『Love Supereme Jazz Festival Japan 2023』に出演!
詳細はこちら

SET LIST

2023 5.10 WED.
1st&2nd
1. LOUNA’s iNTRO
2. WHATUP
3. SMiLE
4. BOWLiNG
5. TWO SHRiMPS
6. ENDANGERED SPECiES
7. U DON’T HAVE TO ROB ME
8. MADViLLAiNY - RAiSE iT UP
9. MOON
10. jUMP
11. HAVONA
12. DUKE - SPACE MOUNTAiN
13. WHOA
14. NOT TiGHT
15. THANK U + SNiFF

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