2023 7.25 tue., 7.26 wed., 7.27 thu.
Bluey from INCOGNITO presents "CITRUS SUN"
artist BLUEY , CITRUS SUN
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
インコグニートのファンキー&ダンサブルな部分はそのままに、よりインストゥルメンタル率を高め、オリジナル曲に加えて往年のジャズ・ファンク~ポップスの楽曲カヴァーもたっぷり届けてくれるユニット。それがシトラス・サンです。最新作『Expansions & Visions』を携えて、ちょうど5年ぶりの来日公演を昨日から開催しています。
総帥のブルーイ(ギター)を筆頭に、フランシス・ヒルトン(ベース)、フランチェスコ・メンドリア(ドラムス)、ジョアン・カエタノ(パーカッション)は、昨年のインコグニート公演でも演奏していたメンバー。キーボードのグラハム・ハーヴィーとトランペットのドミニク・グローヴァ―はインコグニートのアルバム『No Time Like The Future』などにも参加しています。文字通り、気心の知れた仲間が集まったユニットがシトラス・サンなのです。2018年の公演に抜擢され、大いにオーディエンスを沸かせたインドネシア出身の若手ハーモニカ奏者、レガ・ダウナのプレイも一層フィーチャーされました。去る6月に行われたプログラム「MIKE DEL FERRO presents "TOOTS THIELEMANS 100"」ではリリカルな一面をたっぷり聴かせてくれたレガが、シトラス・サンではひとりのファンキー・ガイとしてハーモニカを吹きまくるのもまた、大きな魅力です。
ライヴではもうひとり、ヴォーカリストのスリーン・フレミングにも大きなスポットが当たりました。ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、マザー・アースなどで歌い、インコグニートの『In Search Of Better Days』にも参加、シトラス・サンの初来日公演(2015年)にも同行した彼女が戻ってきてくれたのは実に嬉しいことです。テリー・キャリアーの「What Color Is Love?」やクリストファー・クロスの「Ride Like The Wind」といった古典を、豊かな声量、華やかなパフォーマンスで自身の色に染めてゆくスリーンはまさに圧巻でした。
プログラムの後半ではマイルス・デイヴィスの「So What」が、ギター奏者ロニー・ジョーダンのカヴァー・ヴァージョンに基づいて演奏されました。'90年代、共にアシッド・ジャズを推進した仲間への、ブルーイからのオマージュといったところでしょうか。ギター奏者チャーリー・アレンの流暢なアドリブや、スキャット+ハーモニカ+ギターの高速ユニゾンに場内は一層盛り上がり、ラストでは最新作の看板曲のひとつである「Expansions」がプレイされました。モダン・ジャズの粘っこさを残すロニー・リストン・スミス(もともとはローランド・カークやアート・ブレイキーと共演したピアニストです)のオリジナル・ヴァージョンを、よりポップにスッキリと編曲し、スリーンやレガも伸び伸びとしたパフォーマンスで魅了しました。
シトラス・サンの公演は27日まで行われます。どの日のどのセットも、最高峰のグルーヴとメロディでオーディエンスを楽しませてくれることでしょう。
(原田 2023 7.26)
Photo by Makoto Ebi
【LIVE INFORMATION】
★Bluey from INCOGNITO presents "CITRUS SUN"
2023 7.25 tue., 7.26 wed., 7.27 thu.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
2023 7.25 tue.
1st&2nd | |
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1. | WHERE THE WIND BLOWS |
2. | PEOPLE OF TOMORROW |
3. | WHAT COLOR IS LOVE |
4. | RIDE LIKE THE WIND |
5. | HARD BOILED |
6. | BACK TO WONDERLAND |
7. | A LUST FOR LIFE |
8. | COOKING WITH WALTER |
9. | DRUMS & PERCUSSION SOLO |
10. | SEND ME YOUR FEELINGS |
11. | SO WHAT |
EC. | EXPANSIONS |