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THE BRECKER BROTHERS BAND REUNION featuring Randy Brecker, Ada Rovatti, George Whitty, Barry Finnerty, Rodney Holmes & Will Lee

artist RANDY BRECKER , THE BRECKER BROTHERS BAND REUNION

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

"大好きな仲間と、久しぶりにここに戻ってくることができた。オールド・ソングからニュー・ソングまで、たっぷり楽しんでほしい"。

いかにも嬉しさを隠せない表情で、ランディ・ブレッカーは満員の観客に呼びかけます。黄金のブレッカー・ブラザーズ・バンド、6年ぶりのブルーノート東京公演が昨日から始まりました。来月には満78歳を迎えるランディですが、トランペットから放たれるフレーズの瞬発力、音色の輝かしさは超人的なまでに健在です。

前回の登場時にはバリー・フィナティ(ギター)、ニール・ジェイソン(ベース、ヴォーカル)、テリー・ボジオ(ドラムス)と、1978年リリースの金字塔『へヴィー・メタル・ビ・バップ』同様のメンバーが参加していましたが、今回のステージはフィナティ、そして'75年リリースのファースト・アルバム『ザ・ブレッカー・ブラザーズ』等に名を連ねていたウィル・リー(ベース、ヴォーカル)、'90年代の活動再開期の重要メンバーであったジョージ・ホイッティ(キーボード)とロドニー・ホームズ(ドラムス)を加えたラインナップで行われています。2007年に亡くなった実弟マイケル・ブレッカーの後任は、ランディの妻でもあるアダ・ロヴァッティが引き続き担当しています。ランディとの息の合った超絶ユニゾン、エフェクト/ノン・エフェクトの鮮やかな切り替え、豪快な楽器の鳴りは、あらためてアダの底力を強く印象づけることでしょう。

初日ファースト・セットでは、「Sponge」、「Rocks」など'70年代当時からの定番に加え、ランディやアダの近作からも、愛娘にちなむ「Stellina」、アレサ・フランクリンへのトリビュートである「Reverence」などが取り上げられました。ステージ中盤ではフィナティがマイケルに捧げた「Mikey B」、マイケルが'70年代に書いた実につややかな楽曲「Funky Sea,Funky Dew」(アダのカデンツァが見事でした)も披露。そこから一気にポップでファンキーなクライマックスへと突入します。ウィル・リーがステージ前面に出て歌ったのは「If You Wanna Boogie...Forget It」(邦題「ブギ―天国」)。'76年当時のメンバーであったドン・グロルニック、スティーヴ・カーン、ウィルが合作し、シングル・カットもされた'76年のナンバーですが、それを作者のひとりであるウィルの華やかなベース弾き語りで今、聴けるとは、完全に予想を超えた驚きでした。誰もが大好きに違いない「Some Skunk Funk」は、レッド・ツェッペリンの「Heartbreaker」を引用したウィルのベース・ソロ、ロドニーの超絶的なドラム・ソロもフィーチャーしながら進行。鳴りやまない拍手のなか、6人の凄腕たちはステージを降りていきました。

伝説と興奮のステージは29日まで続きます!
(原田 2023 10.28)

Photo by Great The Kabukicho

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【LIVE INFORMATION】

THE BRECKER BROTHERS BAND REUNION
featuring Randy Brecker, Ada Rovatti, George Whitty, Barry Finnerty, Rodney Holmes & Will Lee
2023 10.27 fri., 10.28 sat., 10.29 sun. ブルーノート東京
詳細はこちら

SET LIST

2023 10.27 Fri.
1st
1. SPONGE
2. FIRST TUNE OF THE SET
3. STELLINA
4. ROCKS
5. REVERENCE
6. FUNKY SEA, FUNKY DEW
7. MIKEY B
8. IF YOU WANNA BOOGIE...FORGET IT
9. SOME SKUNK FUNK
 
2nd
1. SPONGE
2. FIRST TUNE OF THE SET
3. REVERENCE
4. MIKEY B
5. STRAPHANGIN’
6. HANGIN’ IN THE CITY
7. ABOVE & BELOW
8. IF YOU WANNA BOOGIE...FORGET IT
9. SOME SKUNK FUNK

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