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PATTI AUSTIN

artist PATTI AUSTIN

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

黄金の歌声が、満員のブルーノート東京に響きわたります。4歳の頃から第一線に立ち続ける歌姫、パティ・オースティンの圧巻のステージがついに始まりました。

パティの登場は、ちょうど4年半ぶり。「早く日本のファンに会いたくてたまらなかった」という彼女の気持ちと、「ぜひパティのライヴを聴きたかった」というファンの気持ちがひとつになって、心温まるひとときが創出されてゆきます。レパートリーは、まさしく"オール・アバウト・パティ"と呼びたくなるものばかり。オープニングでは「クインシー・ジョーンズ/ロッド・テンパートン・メドレー」と題して、「Stomp」「Give Me the Night」「Razzamatazz」を勢いたっぷりに熱唱、たちどころに観客の心を掴みます。キム・ハンセンとノリコ・オリングのツイン・キーボードも、19年の来日に引き続いて今回も絶好調。急遽参加することにあった増崎孝司のギター・プレイも、バンド・サウンドと見事に溶け合っています。

パティが作詞・作曲したナンバーで最も人気の高いひとつであろう「Say You Love Me」を丁寧に歌い上げたあとは、ジェイムズ・イングラムに捧げて、彼とのデュエット・ナンバー「Baby, Come to Me」と「How Do You Keep the Music Playing?」を、見事にパティのソロ楽曲として生まれ変わらせてくれました。スタンダード・ナンバーの「They Can't Take That Away From Me」は、1988年のアルバム『The Real Me』に入っているテイク同様、グレッグ・フィリンゲインズが手掛けた編曲で披露。テディ・ペンダーグラス、ウィル・ダウニング、グラディス・ナイト、安室奈美恵などの作品に参加経験があるベテラン・ドラマー、ランド・リチャーズによる重量感たっぷりのシャッフル・ビートも大きな聴きどころでした。

プログラムの後半では、今年90歳を迎えた渡辺貞夫にリスペクトを込めて、彼とレコーディングした「Any Other Fool」を披露し、さらに"この時代のアンセムになるべき曲です"と、「What the World Needs Now Is Love」を、オーディエンス(男女に分けての掛け合いも含む)との合唱込みで楽しませてくれました。そしてオーラスに飛び出したのは、いまの季節にぴったりの「Winter Wonderland」と「Have Yourself a Merry Little Christmas」。ロマンティックなメロディに、ファンキーな彩りを添えるのがパティ流といえましょう。ミュージシャンも観客もみな笑顔、ハピネスの止まらないクリスマス・シーズン公演は18日まで続きます。
(原田 2023 12.16)

Photo by Takuo Sato

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【LIVE INFORMATION】

PATTI AUSTIN
2023 12.15 fri., 12.16 sat., 12.17 sun., 12.18 mon. ブルーノート東京
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SET LIST

2023 12.15 Fri.
1st&2nd
1. QUINCY TEMPERTON MEDLEY (STOMP ~ GIVE ME THE NIGHT ~ RAZZAMATAZZ)
2. SAY YOU LOVE ME
3. BABY, COME TO ME
4. HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLAYING
5. THEY CAN’T TAKE THAT AWAY FROM ME
6. ANY OTHER FOOL
7. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
8. YOU GOTTA BE
EC1. WINTER WONDER MEDLEY (WINTER WONDERLAND ~ IT’S THE MOST WONDERFUL TIME OF THE YEAR)
EC2. HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS

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