2023 12.19 tue., 12.20 wed., 12.21 thu.
THE HOT SARDINES
artist THE HOT SARDINES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ちょっとノスタルジックで、抜群にスウィンギーで、思いっきりハッピー。
去る4月のカーネギー・ホール公演も話題を集めた人気グループ、ザ・ホット・サーディンズのステージがついに始まりました。彼らの来日は、およそ4年半ぶり。その間、こちらでの人気もさらに高まったことは間違いなく、初日のファースト・セットから大変な盛り上がりです。リーダー兼ピアニストのエヴァン "ビブス" パラッツォと、紅一点ヴォーカリストの"ミズ・エリザベス" ブージュロルの息はもちろんぴったり合い、最新作『C'EST LA VIE』からのナンバーや、この時期だからこそのクリスマス・ソングを交えながら、徹底的に楽しませてくれました。
ロバート・パリンズは2017年の公演以来の参加で、リゾネーター・ギター(どちらかというとハワイアンやブルースでよく使われる楽器です)とクラリネットの二刀流で異彩を放ちます。トロンボーンを担当するJ.ウォルター・ホークスは、エミー賞に輝いたことのある才人。のびやかなフレーズ、恵まれた音量は、疑いなくこのグループの新たな魅力といえましょう。やはり新加入のヴィクター・ムリージョはスラップ奏法や弓弾きも交えながらベースを鳴らし、シルク・ド・ソレイユ「バナナ・シュピール」のアメリカ/カナダ公演に参加したことがある新加入のデウィット・フレミング・ジュニアはドラムとタップダンスの双方で熱狂させます。芸達者が揃って、温故知新の精神たっぷりに、歴史的名曲の数々を届けてくれるのです。
演唱にとりかかる前に、ソングライターの名前や発表年に触れることが多いのも、彼らの「先達への敬意」を物語っているように思います。たとえば「It Had To Be You」に関する紹介は、「ガス・カーンが作詞、アイシャム・ジョーンズが作曲して、1924年に発表された」という調子です。100年も前の楽曲が、目の前で、軽やかな即興も交えて、実に新鮮に蘇ってゆく瞬間を体験できる機会は、なかなかあるものではありません。シャンソンの定番「La Vie En Rose(バラ色の人生)」ではエリザベスとパリンズ(ギター)がデュオの世界を届け、エヴァンもベースとドラムスだけをバックに「I've Got My Love To Keep Me Warm(恋に寒さを忘れて)」を演奏。ストライド奏法も取り入れながらのパフォーマンスに、場内は大きく湧きました。アンコールの「White Christmas」は、なんとブギウギ調のアレンジ。途中、エリザベスの奏でるウォッシュボード(洗濯板)、デウィットのタップダンスにも大きなスポットが当たりました。公演は21日まで開催!
(原田 2023 12.20)
Photo by Aya Shimizu
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【LIVE INFORMATION】
THE HOT SARDINES
2023 12.19 tue., 12.20 wed., 12.21 thu. ブルーノート東京
2023 12.19 Tue.
1st | |
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1. | MISTLETOE & HOLLY |
2. | LOVE POTION NO.9 |
3. | LOVER COME BACK TO ME |
4. | LA VIE EN ROSE |
5. | CHRISTMAS BLUES |
6. | PETITE FLEUR |
7. | ZAZOU |
8. | COMES LOVE |
9. | I’VE GOT MY LOVE TO KEEP ME WARM |
10. | IT HAD TO BE YOU |
11. | BEI MIR BIST DU SCHOEN |
EC. | WHITE CHRISTMAS |
2nd | |
1. | MISTLETOE & HOLLY |
2. | LOVE POTION NO.9 |
3. | LOVER COME BACK TO ME |
4. | AIN’T MISBEHAVIN’ |
5. | BLUE CHRISTMAS |
6. | ZAZOU |
7. | COMES LOVE |
8. | SWEET PEA |
9. | I’VE GOT MY LOVE TO KEEP ME WARM |
10. | DON’T FENCE ME IN |
11. | BEI MIR BIST DU SCHOEN |
EC. | WHITE CHRISTMAS |