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MIKE STERN BAND featuring DENNIS CHAMBERS, LINCOLN GOINES, BOB FRANCESCHINI & LENI STERN

artist MIKE STERN

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

不動の人気を誇るギター・ヒーロー、マイク・スターンが今年も会心のステージを繰り広げています。

昨年はジェフ・ローバー・フュージョンとのコラボレーション、19年は神保彰との共演、18年は小曽根真との共演、17年はビル・エヴァンスやダリル・ジョーンズとの"80年代マイルス・デイヴィス・バンド・リユニオン"的なセッションと、さまざまな豪華プログラムで日本のファンを喜ばせているマイクですが、今回の顔ぶれもまた、強力です。公私ともにパートナーであるレニ・スターン(ギター、ヴォーカル、西アフリカの弦楽器であるンゴニ)、ボブ・フランセスチーニ(テナー・サックス)、リンカーン・ゴーインズ(ベース)、デニス・チェンバース(ドラムス)との、文字通りのオールスター・ラインナップです。ちなみにリンカーンとデニスは、1980年代後半から90年代にかけて大きな支持を集めた、あの"マイク・スターン&ボブ・バーグ・バンド"のリズム・セクションでした。マイク、リンカーン、デニスが一堂に会する姿を見るだけで胸が熱くなった、というベテラン・ファンも多いのではと思われます。

「ブルーノート東京」初日のファースト・セットは、レニのンゴニ弾き語りをフィーチャーした「Like a Thief」から始まりました。他のメンバーは一歩引いた形でヴォーカルを支え、デニスもブラッシュを使いながらキメ細かなプレイを披露します。そこから流れるように、近年のマイクのライヴで欠かせない一曲となっている「Out Of The Blue」に突入すると、いよいよ各プレイヤーの"ジャズマンとしての血"が騒ぎ出します。チョーキングも取り入れたマイクのロング・ソロを受けて、ボブ・フランセスチーニが雄弁極まりないプレイを展開し、ここでクライマックスに到達かと思いきや、ギターに持ち替えたレニが野太いトーンで単音中心のソロを展開、そこからリンカーンのアドリブにつなぎます。「あれ、ドラム・ソロは?」と思ったところで勢いよく入り込んでくるデニスのプレイは圧巻のひとこと。曲の前半で聴かせた渋いブラッシュ・プレイとは対照的に、切れ味鋭いスティック・ワークでドラムを叩きまくります。豊かでよく通るタムの響きは、この巨匠の健在をしっかりと伝えてくれました。

その後も、90年代からのレパートリーである「You Never Know」(フランセスチーニがエフェクターを駆使して吹きまくりました)、ギターとスキャットの重なりが美しい「All You Need」などで、5人は息の合ったプレイを展開。「一晩中でも演奏し続けたいほどだよ」といいながら、マイクは満面の笑顔でバンドスタンドから降りていきました。このスーパー・ユニットは本日(7月2日)と3日に「コットンクラブ」で公演し、4日に「ブルーノート東京」に戻ってきます。白熱のセッションを、ぜひ至近距離でご覧ください。

(原田 2024 7.2)

Photo by Takuo Sato

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【LIVE INFORMATION】

MIKE STERN BAND
featuring DENNIS CHAMBERS, LINCOLN GOINES, BOB FRANCESCHINI & LENI STERN
2024 7.1 mon., 7.4 thu. ブルーノート東京
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2024 7.2 tue., 7.3 wed. コットンクラブ
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