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KURT ROSENWINKEL's THE NEXT STEP BAND REUNION

artist KURT ROSENWINKEL

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

カート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、ベン・ストリート、ジェフ・バラード。押しも押されもせぬ現代ジャズのジャイアントたちが、昨日から「ブルーノート東京」で圧倒的なプレイを繰り広げています。プロジェクト名は、"カート・ローゼンウィンケル ザ・ネクスト・ステップ・バンド・リユニオン"。この4人は1990年代半ばから2000年代前半にかけてレギュラーで活動し、スタジオ・アルバム『ザ・ネクスト・ステップ』(2001年リリース)を生み出したあと、それぞれが別個の活動に入りました。つい先日、発足当初にニューヨークの小さなジャズ・クラブで収録したライヴ音源が『ザ・ネクスト・ステップ・バンド~ライヴ・アット・スモールズ 1996』として初作品化されたのも記憶に新しいところですが、今回、そのリリースと歩調を合わせるように、2024年現在の"ザ・ネクスト・ステップ・バンド"によるライヴが実現したのです。

この日、超満員の「ブルーノート東京」では、幅広い世代のオーディエンスが食い入るように4人のプレイを堪能し、各曲の最後の一音が消え切ったところで、まるで夢からさめたかのように盛大な拍手を送ります。2本のギター(変則チューニングが施されているものを含む)を駆使して壮大な音のタペストリーを描くカート、テナー・サックスの幅広い音域を駆使して滑らかにうたいあげるマーク、ソリストに絡みつくようなアプローチからモダン・ジャズ伝来のウォーキング・ベース奏法まで彩り豊かなサウンドでバンドの底辺を支えるベン、よく通る逞しい音色で絶えずソリストを鼓舞するジェフ、なんと見事なコンビネーションなのだろうと驚嘆するしかありませんでした。

セットリストには、『ザ・ネクスト・ステップ』収録曲ばかりが集められました。つまり「約25年前に作られ、演奏された楽曲たち」に、いま現在の4人が向かい合っているわけです。まとめてライヴで味わうと、「当時20代のカートがすでに途方もなく多彩な楽想を持つ作曲家であったこと」を、いまさらのように痛感します。抽象的な心地良さというしかない世界が広がる「Zhivago」、短調のブルース・コードが実にドラマティックに彩られる「Minor Blues」に聴き惚れ、一糸乱れぬサックスとギターのユニゾンと無類にかっこいい"キメ"を持つリズムが入り混じる「Filters」に突き抜けるような爽快感を覚え、と、1曲1曲、聴き進めていくのが本当に楽しいのです。「Filters」におけるカートとマークの掛け合いによるアドリブ・パートは、アルバムでの演奏よりも一層スタンダード・ナンバー「You Stepped Out of a Dream」(マークが敬愛するウォーン・マーシュの愛奏曲でもありました)からの影響が強く感じられ、猛烈にドライヴするベンとジェフの連携も相まって、ザ・ネクスト・ステップ・バンドそのものが持つ熱いモダン・ジャズへの愛に触れた思いがしました。同バンドのセッションはカートのピアノ演奏も含むのが常ですが、今回も「The Next Step」で切れ味の良いタッチを聴くことができました。
ジャズの勇者たちによる公演は本日まで「ブルーノート東京」で開催、その後27日に「高崎芸術劇場 / スタジオシアター」、28日と29日に丸の内「コットンクラブ」に登場します。ジャズのスリルと奥深さをこれでもかと伝える4人の至芸を、ぜひご堪能ください!

(原田 2024 7.24)

Photo by Jun Ishibashi

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【LIVE INFORMATION】

KURT ROSENWINKEL's
THE NEXT STEP BAND REUNION

2024 7.24 wed., 7.25 thu. ブルーノート東京
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2024 7.27 sat. 高崎芸術劇場 / スタジオシアター
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2024 7.28 sun., 29 mon. コットンクラブ
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SET LIST

2024 7.23 TUE.
1st
1. Zhivago
2. Minor Blues
3. A Shifting Design
4. Path Of The Heart
5. Filters
EC. The Next Step
 
2nd
1. Zhivago
2. Minor Blues
3. A Shifting Design
4. Path Of The Heart
5. Filters
6. The Next Step
EC. Use of Light

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