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An Evening with Contemporary Masters:BILL EVANS & THE VANSBAND ALLSTARS featuring DAVE WECKL, KEVIN HAYS, JAMES GENUS with special guest TILL BRÖNNER @Cotton Club

artist BILL EVANS , TILL BRÖNNER

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

マイルス・デイヴィスの通称"カムバック・バンド"で頭角を現し、ジョン・マクラフリン率いるマハヴィシュヌ・オーケストラにも参加。ほかランディ・ブレッカーとの"ソウルバップ・バンド"、アメリカン・ルーツ・ミュージックにスポットを当てた"ソウルグラス"、ジャズとグルーヴ・ミュージックのシームレスな融合を目指す"ビル・エヴァンス・バンド"など自身のユニットでも注目を集めてきたサックス奏者、ビル・エヴァンスが昨日から最新プロジェクト"ビル・エヴァンス & ヴァンスバンド・オールスターズ"を率いて来日中です。私はコットンクラブで行われた初日のファースト・セットに足を運びましたが、"パワー全開"とは、まさにこのこと。凄腕ミュージシャン5人による、活気とスリルあふれる音の語らいに、思いっきり引き込まれました。

2024年に本格始動した"ヴァンスバンド"は、自身の長い演奏キャリアの中で、ビルが最高峰と認めたミュージシャンばかりを集めて構成されています。この日本公演に参加したのは、ピアノとフェンダー・ローズのケヴィン・ヘイズ(元スティーヴ・ガッド・バンド)、エレクトリック・ベースのジェイムズ・ジナス(元ブレッカー・ブラザーズ・バンド)、ドラムスのデイヴ・ウェックル(元チック・コリア・エレクトリック/アコースティック・バンド)、さらにスペシャル・ゲストとしてドイツ出身のトランペット&フリューゲルホーン奏者であるティル・ブレナーが加わります。ソフトな歌声を生かしたAOR的な音作りで人気を博すティルですが、このヴァンスバンドでは、マイケル・ブレッカーやデニス・チェンバースが参加した初期のアルバム『ミッドナイト』でのプレイをさらに輝かしくワイルドにしたような吹きっぷりで魅了してくれます。ここまでオープン・トランペットでバリバリと演奏するティルを見聴きしたのは、少なくとも私は初めてです。

ビルはソプラノ・サックスをメインに、テナー・サックスも吹き、ティルはオープン・トランペットのほか、ミュート・トランペット、フリューゲルホーンでも豊かな音色を響かせます。ケヴィンはアコースティック・ピアノを中心にフェンダー・ローズもプレイ(時に同時演奏も)、ジェイムズは5弦エレクトリック・ベースに専念します。ステージでは、「Road to Ilha Grande」、「Mica Moon」、「Bex in Motion」、「Forever in my Soul」など、8月16日にリリースされたばかりのビルのアルバム『Who I am』(通算26枚目にあたるそうです)からの楽曲が次々と繰り広げられました。ディスクでもビルとティルの音色の重なりや掛け合いが映えていた「Mica Moon」がさっそくナマで聴けたのも嬉しかったですし、他の曲にしても、よりアドリブ・スペースが増し、各ミュージシャンの名人芸(という言葉がぴったりでしょう)がこれでもかというほど味わえるのですから、客席から"ブラボー"の声が沸き上がったのも納得できます。管楽器のハーモニーにケヴィンがワードレス・ヴォーカル(スキャット)で彩りをつけるパートあり、カウベルや複数のフロアタムを活用したデイヴの超絶的なドラム・ソロがフィーチャーされるパートあり、ジェイムズが怒涛の低音でソリストに切り込む箇所あり、ビルがアコースティック・ピアノの弾き語りをするパートあり(彼は才能に富むシンガーソングライターでもあります)と、趣向に富んだステージングでオーディエンスを熱狂させる5人は、まさに"ライヴの巧者"です。

公演は本日から7日までブルーノート東京で開催。このメンバーが集結するのは本当に希少です。ぜひ間近でご堪能ください!

(原田 2024 9.5)

Photo by Yuka Yamaji

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【LIVE INFORMATION】

An Evening with Contemporary Masters:
BILL EVANS & THE VANSBAND ALLSTARS
featuring DAVE WECKL, KEVIN HAYS, JAMES GENUS
with special guest TILL BRÖNNER
2024 9.4 wed. コットンクラブ
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2024 9.5 thu., 9.6 fri., 9.7 sat. ブルーノート東京
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