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CLAUDE FONTAINE @BLUE NOTE PLACE

artist CLAUDE FONTAINE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

アルバム『Claude Fontaine』(2019年)や『La Mer』(2024年)に一度でも接した方であれば、誰もがこの歌声をライヴで味わってみたいと思っていたのではないでしょうか。その願いが今、ついに実現しました。クールなフレージングと聴く者の心をときほぐすウィスパー・ヴォイスを持つアメリカ・ロサンゼルス出身のシンガーソングライター、クロード・フォンテーヌの待望の来日公演が昨日から行われています。ブルーノート東京でのステージは本日から始まりますが、私は4月14日に恵比寿・BLUE NOTE PLACEで開催された「CLAUDE FONTAINE DUO- Preview for Live at Blue Note Tokyo -」に足を運び、彼女のボサ・ノヴァ・サイドというべき一面を満喫いたしました。

前述のアルバム2枚はシャキーラ、サンタナ、ワイクリフ・ジョン、ジェイソン・ムラーズ等の作品づくりに関わってきたグラミー・ウィナーであるレスター・メンデスをプロデューサーに迎えた、非常に練り上げられた作品で、『Claude Fontaine』はアイルト・モレイラや、スティール・パルスの初期メンバーであるロナルド・マックイーンなど重鎮の参加でも話題を集めました。が、この日のライヴはタイトルに"デュオ"とある通り、アコースティック・ギターをつまびくクレベール・ジョルジとの、ふたりきりのステージです。クレベールは1980年代後半に母国ブラジルからロサンゼルスに渡り、再評価高まる"マエストロ"モアシル・サントスや、ライ・クーダーと交流のあるテッド・グリーンに師事、セルジオ・メンデスとも長く共演を続けたキャリアの持ち主。渡辺貞夫、ジョン・パティトゥッチ、小野リサなどのアルバムにも参加しています。間近でデュオ・パフォーマンスに接していると、クロード・フォンテーヌがクレベールに全幅の信頼を寄せて、実に気持ちよさそうに歌っていることが実感できました。

この夜のレパートリーは、『Claude Fontaine』からの「I'll Play The Fool」、「Footprints In The Sand」、『La Mer』からの「Concha Do Mar」、「Chuva De Verao」、「Green Ivy Tapestry」等。ギター1本でリズム、コード、ベース・パートを余すところなく表現するクレベールの至芸(時おり楽器の胴体を叩いてパーカッション的な響きも出します)は目と耳を同時に魅了し、しかも「Concha Do Mar」や「Green Ivy Tapestry」に登場するクロードとのヴォーカル・ユニゾンも実に心地よいものでした。いっさい力むことなし、ゆるやかに流れていくようなクロードとクレベールの世界は、まさに豊穣そのものです。

本日と明日のブルーノート東京公演は、このふたりに、アンドレ・デ・サンタンナ(ベース)、レオ・コスタ(ドラムス、パーカッション:グレッチェン・パーラト『Flor』にも関与)を加えたフル・メンバーで行われます。ボサ・ノヴァと共にクロードの音楽性のもうひとつのバックボーンを形成するレゲエを取り入れたレパートリーも披露されることでしょう。凄腕たちによるバンド・サウンドと、あたたかでやさしい歌声の融合をお楽しみください。
(原田 2025 4.15)

Photo by Yuka Yamaji

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【LIVE INFORMATION】

CLAUDE FONTAINE
2025 4.15 tue., 4.16 wed. ブルーノート東京
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